アプリを選ぶ
小説・原稿を書く執筆アプリ7選
小説を書く道具は、本文の書きやすさだけでなく、文字数・プロット管理・同期の違いも選ぶ手がかりになります。同じ執筆アプリでも得意なことはかなり違い、文字数を見ながら推敲したい人と、登場人物の設定を作り込みたい人とでは合うアプリが変わります。
書きたいものと使う端末に合うアプリは?
- 文字数の指定がある原稿には、お原稿かきかきが向いています。本文と選んだ範囲の文字数がいつも画面に出ていて、その日に書いた文字数はカレンダーに残ります。書きながら行数や単語数も見たい人には、文字数カウントメモがあります。
- iPhoneで書いた続きをiPadやMacで書くなら、かきかきが合います。自分のiCloud Driveで同期するので、アカウント登録も同期の料金もいりません。iPadとMacでは2画面で設定メモと本文を並べられます。
- Web記事やエッセイ、小説の下書きを推敲まで同じアプリで進めたい人には、見出しと目次、コメント、改稿履歴がそろったかきかきが向いています。
- 登場人物やプロットの設定を作り込みたいなら、Nola、Novel Airline、NOVEWRITEです。プロットだけを組むならストーリープロッターもあります。
- Web小説を投稿サイトに載せる人には、サイトごとのルビの形式に合わせられるNOVEWRITEが便利です。
- 日記やエッセイを毎日少しずつ書きためるなら、PenCakeが気軽に使えます。
- AndroidやWindowsでも書く場合は、Nola、NOVEWRITE、ストーリープロッター、PenCakeが候補になります。
縦書きで書きたい人は、縦式やTatePad、TATEditorを比べた縦書きで書ける執筆アプリ比較もご覧ください。
お原稿かきかき|並べて、見渡して書く
かきかきは、iPhone・iPad・Macで使える、このサイトの開発元mamama, inc.の執筆アプリです。メモを確かめるときも、前の章を読み返すときも、書く流れを止めずに行き来できます。
メモを見ながら書けます
iPad・Macでは、本文とメモを左右に並べられます。登場人物の設定や記事の構成を、原稿を切り替えずに確かめられます。
同じ原稿の別の場所も並べられます。2画面表示の使い方
目次から、読みたい章へ
長い原稿をスクロールして探さなくても、見出しを選ぶとその場所へ。iPhone・iPad・Macで使えます。


iPhoneの操作デモから、画面の一部を拡大。
前後の見出しへ移動したあとも、「元の位置」で書きかけの場所へ戻れます。見出しと目次の使い方
動画で動きを見る(6秒・音声なし)
文字数を確かめながら推敲できます
書いている間は、見出しを除いた本文の文字数と、選んだ範囲の文字数がいつも画面に出ています。タップすると見出しを含めた全文の数も見られ、数え方は「空白と改行を除く」か「改行だけ除く」を選べます。
その日に書いた文字数は、月ごとのカレンダーに色の濃さで残ります。日付を押すとその日に書いた原稿と文字数が並び、そこから原稿を開けます。
推敲には、太字・段落の枠・ハイライト・コメント、原稿の中の検索と置換、改稿履歴を使います。置換しても見出しや太字、コメントは崩れず、「すべて置換」の直前の版は改稿履歴に残ります。改稿履歴では保存した版と今の本文を行ごとに見比べて、前の版に戻せます。原稿一覧の検索では本文の中まで探せますが、正規表現には対応していません。原稿はフォルダ(中にフォルダも作れます)とタグで整理し、MarkdownかPDFで書き出します。PDFはコメントを入れるかどうかを選べます。iPadとMacではキーボードショートカットも使えます。
原稿は自分のiCloud Driveに保存され、同じAppleアカウントのiPhone・iPad・Macで同期します。アプリ用のアカウント登録はなく、同期にお金もかかりません。
無料で作成・編集できるのは2原稿までです。月額300円か年額3,000円のかきかきプラスにすると原稿数の制限がなくなり、ゴミ箱から原稿を戻せるようになって、iPhone・iPadの広告も消えます。無料版の広告はiPhone・iPadの原稿一覧に出るバナーで、執筆画面には出ません。Mac版は無料でも広告を出していません。プランはiPhone・iPad・Macで共通です。
専用の相関図やプロット作成フォームはありません。設定はメモ用の原稿に書いて参照する使い方です。縦書きはできず、Android版とWindows版もありません。操作は使い方のページで、原稿の作り方から改稿履歴まで順に説明しています。
文字数を見ながら書く
公募の規定や投稿サイトの字数制限、Web記事の「3,000文字程度」といった指定がある原稿では、書いている途中の文字数がいつも見えていると楽です。空白や改行を数に入れるかどうかはアプリによって違うので、原稿の文字数の数え方で違いを確かめておくと、提出先の数とずれたときに慌てずに済みます。手元の文章をすぐ数えたいときは、このサイトの文字数カウントに貼りつけてみてください。
文字数カウントメモ
文字数に加えて、単語数と行数も出せるメモ帳です。書いた量はグラフとカレンダーで振り返れて、目標の数も決められます。文字数と書いた量だけならお原稿かきかきでも見られるので、行数や単語数も画面に出して書きたい人に合います。
iPhone・iPad・Androidで使え、M1以降のMacではiPad版が動きます。クラウドへのバックアップや複数端末でのデータ共有に対応していますが、書いたそばから自動で同期されるのかどうかは、公式の案内からは読み取れません。
無料版は広告入りです。月額300円(年額3,000円)の有料版にすると広告が消え、フォルダとタグの数の制限がなくなり、フォルダを階層にできます。Googleへのバックアップ、書き出しと読み込み、過去の統計も有料版の機能です。
名前の似ている文字数メモは、縦書きエディタのTatePadと同じDRIP PRODUCTSが作る文字数付きのメモ帳です。34種類の日本語フォントと、横書き・縦書き・1〜3段組のPDF書き出しがあり、iPhone・iPad・Mac(macOS 14以降)で使えます。こちらも広告が出て、Premiumは900円です。
登場人物やプロットも管理できるアプリ
アプリを選ぶ前に話の筋を整理したい方は、小説のプロットの書き方と無料テンプレートを使ってみてください。主人公の目的から次に書く場面まで、短編の記入例で説明しています。
長編になると、登場人物の年齢や口調、どの章で何が起きたかを本文とは別にまとめておきたくなります。Nola、Novel Airline、NOVEWRITEには、その置き場所がアプリの中にあります。本文は別のアプリで書き、プロットだけを組み立てるならストーリープロッターもあります。
Nola
起承転結の枠で組むプロット、登場人物と世界観、相関図、時系列を作品ごとに持てて、設定と本文を同じアプリで扱えます。キャラクターのイラストを作る機能や脚本モード、執筆アラームのほか、AIの「アシスタント猫」もあります。アシスタント猫はFishを消費して動き、Fishのパックは200〜600円です。
iPhone・iPad・Androidのアプリと、Chrome・Safari・Edgeで開くブラウザ版があり、MacやWindowsのパソコンではブラウザで書きます。使うには無料の会員登録が必要で、原稿はNolaのクラウドに保存され、端末どうしの同期は無料です。
無料で作れる作品グループは2つまでです。原稿の履歴と復元、EPUBでの書き出しはNolaプレミアム(月額550円・年額5,500円)の機能で、縦書き風の表示、原稿用紙換算の設定、資料を見ながら全画面で書くマルチ執筆は、プレミアムのうえにPC版でしか使えません。書き出しはWord・PDF・テキストにも対応しています。
自社の投稿サイト「Nolaノベル」や、編集部に原稿を送る「Nolaエージェント」ともつながっていて、書いたものを人に読んでもらうところまでNolaの中で進められます。
Novel Airline
横書きで書いて、縦書きのプレビュー(一段・二段)で仕上がりを確かめるアプリです。プロットボード、登場人物をまとめる「キャストルーム」、舞台を記録する「ロケーションズ」があり、カスタム単語帳や記号のクイック入力も付いています。
ルビと傍点、章ごとの改ページ、挿絵、表紙と奥付まで作れるので、一冊の本の形にまとめたい人にも使えます。文字数カウント、編集履歴、活動日誌、パスコードのロックもあります。
iPhoneとiPad向けのアプリで、Apple M1以降のMacではiPad版が動きます。Google Playでは見つかりません。無料版には広告が出ます。月額180円のFirst Classにすると広告が消え、PDFで書き出せるようになり、クラウドバックアップが使えます。ほかの端末と原稿を共有するのもこのクラウドバックアップなので、複数の端末で書く場合も有料です。月額180円は、ここで比べる月額プランの中でいちばん安い金額です。
NOVEWRITE
App Storeでの名前は「WEB小説を書く人のためのエディタ」。名前のとおり、書いた小説を投稿サイトに載せる人に向けたアプリです。
投稿サイトはルビの書き方がそれぞれ違いますが、NOVEWRITEは小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、エブリスタ、ハーメルン、NOVEL DAYS、ノベルアップ+、pixiv、HTMLの形式でルビを入れられ、形式どうしの変換もできます。同じ作品を複数のサイトに載せる人には、ここがほかのアプリとの大きな違いです。
作品ごとにテーマ・プロット・本文・資料を分けて持て、ルビや傍点、かっこのクイック入力、定型文、縦書きプレビュー、入力中の文字数表示があります。書き出しはテキストです。
iPhone・iPad・Android、M1以降のMac、パソコンのブラウザで使えます。アプリどうしの同期は有料の機能です。有料プランはベーシックが月額250円(年額2,500円)、プレミアムが月額500円(年額5,000円)で、AIの機能は別に月額500円かかります。無料版は広告入りで、広告を消すだけなら600円の買い切りもあります。
ストーリープロッター
本文を書くよりも、書く前の設計に使うアプリです。ネタ帳は色・タグ・フォルダで分けて検索でき、プロットは作ってから順番を入れ替えられます。世界観の時系列や年表、登場人物の相関図や家系図も作れて、AIを相手にブレインストーミングもできます。
iPhone・iPad・Androidとブラウザで使え、プロットづくりの機能は無料です。複数の端末で同期するときは月額400円かかり、ブラウザだけで使うなら無料のままです。AIの制限解除(500円)や画像生成(100円)は別に買えます。アプリの説明では、利用者が許可しない限り創作データを送信しないとしています。
本文を書く機能や書き出しがあるかは、公式の案内からは確かめられませんでした。プロットはここで組み、本文は別のエディタで書く使い方になります。
日記やエッセイを書きためる
長編を組み立てるより、短い文章を毎日のように書きためていきたい人もいます。App Storeで「エッセイ」と探すと上位に出てくるPenCakeは、そういう使い方に合ったアプリです。
PenCake
アプリの名前は「シンプルなノート・メモ帳・日記帳」です。文章は「物語」と「記事」の単位でまとめ、Markdownの書式、文字数の表示、写真の挿入、パスワードロックが使えます。縦書きはありません。
同期先はiCloudかGoogle Driveを選べて、Google DriveならiPhoneとAndroid、Windowsの間でも原稿を行き来できます。ただし無料版の同期は手動で、自動で同期するにはプレミアムが必要です。WindowsとmacOSのPC版もプレミアムでしか使えません。変更履歴は無料版が3日分、プレミアムが90日分さかのぼれます。
料金は年額990円から、一度払えば続けて使える終身プランは2,400円からです。価格の違うプランがいくつもあるため、購入前には含まれる機能の確認が必要です。App Storeのプライバシー表示に広告に関する項目はありません。
スマホとパソコンの両方で書くとき
外ではスマホで書き、家ではパソコンで直すつもりなら、まず手持ちの端末の組み合わせで候補を絞ると早く決まります。
iPhone・iPad・MacのApple端末だけで書くなら、かきかきは自分のiCloud Driveで同期し、登録も料金もかかりません。Macにもアプリがあり、Mac版は無料でも広告が出ません。Nolaも無料の会員登録をすれば同期は無料で、Macではブラウザで書きます。Novel Airlineは月額180円のFirst Classで使えるクラウドバックアップを通して原稿を共有し、M1以降のMacではiPad版が動きます。
AndroidのスマホやWindowsのパソコンも使うなら、候補はNola、NOVEWRITE、ストーリープロッター、PenCakeです。Nola、NOVEWRITE、ストーリープロッターにはブラウザ版があり、Windowsではブラウザを開いて使います。PenCakeにはWindows用のPC版がありますが、プレミアムでしか使えません。文字数カウントメモもAndroidで使えます。かきかきにはAndroid版とWindows版がなく、Novel AirlineもGoogle Playでは見つかりません。
同期の料金も確かめておきたいところです。NOVEWRITEとストーリープロッターは同期が有料で、PenCakeは手動なら無料、自動にすると有料になります。文字数カウントメモのクラウドはバックアップの機能です。
海外製ではUlyssesとiA Writerもあります。Ulyssesは月額1,000円か年額6,000円です。iA WriterはiPhone・iPad版が3,000円、Mac版が8,000円で、iPhoneとMacの両方で使うなら別々に買います。
7本の比較表
| アプリ | 使える端末 | 縦書き | プロット・登場人物 | 端末間の同期 | 広告(無料版) | 料金の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| iPhone・iPad・Mac | なし | 専用の機能なし(2画面でメモを並べる) | iCloud Drive(無料・登録不要) | iPhone・iPadの原稿一覧のみ(Macはなし) | 無料は2原稿まで、プラス月額300円・年額3,000円 | |
| iPhone・iPad・Android・ブラウザ | 縦書き風の表示(有料・PC版のみ) | プロット、登場人物、世界観、相関図、時系列 | 無料(会員登録が必要) | 確認できず | プレミアム月額550円・年額5,500円 | |
| iPhone・iPad・Mac(M1以降) | プレビュー | プロットボード、登場人物、舞台 | クラウドバックアップ(有料) | あり | First Class月額180円 | |
| iPhone・iPad・Mac(M1以降)・Android・ブラウザ | プレビュー | テーマ、プロット、資料 | 有料 | あり | 月額250円から、広告解除600円 | |
| iPhone・iPad・Android・ブラウザ | ―(プロット用) | プロット、キャラ設定、相関図、年表 | 有料 | なし | 基本は無料、同期は月額400円 | |
| iPhone・iPad・Android・Mac(M1以降) | なし | なし | クラウドバックアップ | あり | 月額300円・年額3,000円 | |
| iPhone・iPad・Android・Windows・Mac(PC版は有料) | なし | 物語ごとにまとめる | iCloudかGoogle Drive(自動は有料) | なし | 年額990円から、終身2,400円から |
1本で試してみませんか
- 日本語入力と書き心地:いつもの長さの原稿を入れると、日本語の変換、見出しやルビの入れ方、文字数の出方を確かめられます。
- 書き出したときの見た目:実際に提出する形式で書き出します。PDFなら見出しやコメントの入り方、投稿サイトに貼るならルビの表示も確認したいところです。
- 端末間の同期:別の端末で続きを開き、変更が反映されるか確認します。無料か有料か、自動同期か手動のバックアップかも、使い始める前に分かると安心です。
- 無料版の制限と広告:原稿数の制限がないか、2本目や3本目を作るところまで試します。広告が出る場所やタイミングも、書き心地に関わるポイントです。
- 原稿を移す前の確認:使い心地が合うと分かってから、少しずつ原稿を移します。元のファイルも残しておいてください。
複数のApple端末で書き継ぐならiCloudで原稿を書き継ぐ準備を、Web記事の下書きが中心ならWebライター向けの構成例と納品前の確認も参考にしてください。
比較の方法と対象
この比較は、お原稿かきかきの開発元であるmamama, inc.がまとめました。取り上げたのは、日本のApp Storeで「執筆」「執筆アプリ」「小説 書く」「原稿」「文字数カウント」「エッセイ」などの語で探したときに上位に繰り返し出てきたアプリです。
料金・対応端末・広告は日本のApp Storeの商品ページ(アプリ内課金、互換性、プライバシー表示)で、機能はApp Storeの説明文と各社の公式サイト・ヘルプで見ました。Android版は公式の案内とGoogle Playで探しました。各アプリの情報は2026年9月28日、お原稿かきかきの情報は2026年9月30日に確認したもので、価格は日本向けの表示です。
公式情報:Nola、Novel Airline、NOVEWRITE、ストーリープロッター、文字数カウントメモ、PenCake。各公式サイトから商品ページやヘルプを確認できます。今回の更新は、かきかきの画面・操作デモ、プロット記事への案内、出典リンクの追加です。機能・料金の確認日は上記のとおりで、購入前に各ストアの最新表示を確認してください。